特性
シリカゲルの主成分は二酸化ケイ素(SiO2)で、比表面積が700m2/gにもなる合成多孔質の物質です。水分を物理的に吸収しますので、飽和状態に達しても潮解(吸湿による液化)や形状の変化はありません。
化学式としてはSiO2+nH2Oで表される安定した物質で、安全性に優れ、米国FDA(食品医薬品局)で食品添加物として認められております。
相対湿度による吸湿力の違いでA形とB形の2種類に分類されます。A形は食品から電子部品まで広範な分野で防湿、防錆に使用されます。B形は主として調湿や結露防止に使用されます。
当社シリカゲル乾燥剤の吸湿性能および物理的、化学的性質は日本工業規格(JIS-Z-0701)の基準を満たしています。
項目 | 当社A形 | JIS-Z-0701 | |
---|---|---|---|
吸湿率(%) | 20%RH | 11.0 | 8.0 |
50%RH | 27.0 | 20.0 | |
90%RH | 36.0 | 30.0 | |
含水率(%) | 2.0 | 2.5 | |
PH値 | 4.5–6.5 | 4–8 | |
比抵抗率Ω・cm | 4.000 | 3.000 |
※各数値は標準値であり、保証値ではありません
当社シリカゲルの吸湿性能
化学組成(標準値)
項目 | 重量比(%) |
---|---|
SiO2 | 99.25 |
Na2O | 0.21 |
Al2O2 | 0.16 |
その他 | 0.08 |
※各数値は標準値であり、保証値ではありません
包装材料
用途やニーズに合わせて安全性や強度を考慮した包材を使用しています。
仕様 | 包装材料 |
---|---|
シリカゲルST | 「食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)」に適合した安全性の高い有孔ポリエステルフィルムを使用しています。 検湿用インジケータを混合したシリカゲルSTEでは外部から目視で効果の有無を確認できます。 |
シリカゲルSF | 不織布/透湿遮水フィルム/ポリエチレン層の3層構成で、最適な透湿度に管理しています。裏印刷のためインキが直接接触せず、紙を使わないため紙粉が飛散しません。 |
シリカゲルSN | 不織布/ポリエチレン層の2層構成で、最適な透湿度に管理しています。裏印刷のためインキが直接接触せず、紙を使わないため紙粉が飛散しません。 |
用途
電子部品、精密機械部品、輸出梱包、健康食品、医薬品、クッキー菓子、乾燥食品など
安全性
主成分の二酸化ケイ素は体内で消化吸収されないので、万一誤って食べた場合でも人体に影響を与える危険性はありません。検湿用インジケータには安全性の高い有機系色素を使用し、塩化コバルトは使用していません。
※塩化コバルト規制について
塩化コバルト(II)(CAS No.7646-79-9)は人に対して発ガン性があるかもしれないIARC-2B(国際がん研究機関 発ガン性評価)に分類される物質です。欧州EU指令では、67/548/EEC(危険な物質の分類、包装、表示に関する指令)危険物質リスト(附属書I)に含まれており、0.01%以上で指定されたリスク警句を表示する義務があります。 また、欧州化学品庁(ECHA)発表のREACH規制高懸念物質(SVHC)にもリストアップされています。
検湿用インジケータ
吸湿状態を目視で確認することができる、重金属を含まない環境に優しいインジケータです。塩化コバルト使用品が青から薄青、水色を経てピンク色に変化するのに対し、下図に示すように青色の状態から濃赤紫色(10%RH、20%RH)、濃暗赤紫色(30%RH)、暗赤色(40%RH)と青色から急激に赤色系統の色に変化する特徴があります。
湿度 | 呈色 | 状況 |
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0% | ![]() |
乾燥剤が吸湿していない状態では、青色を呈しています。 |
10% | ![]() |
10%RHでは、濃赤紫色の粒が徐々に現れます。 |
20% | ![]() |
20%RHでは、濃赤紫色の粒が増加します。 |
30% | ![]() |
30%RHでは、多少濃赤紫色の粒が残っていますが全体的には濃暗赤紫色を呈します。 |
40% | ![]() |
40%RHでは、赤紫色がほとんど消え、暗赤色を呈します。 |
仕様上のご注意
- 重量の少ない品種には、検湿用インジケータが入っていないことがあります。
- シリカゲルは吸着性に優れた乾燥剤です。揮発性の成分等を吸着して変色することがありますが、効力に変化はありません。